自分らしさを受け入れた先に、拡がった世界。>さとのば生 プロジェクトレポート #03



キャンパスを持たず、日本の各地で暮らしながら、オンライン学習や地域でのプロジェクト実践を通じて学びを深めていく「さとのば大学」。さとのば大学では、どんな人が、どんな想いで参加し、どんな学びや変化を得ているのか。

さとのば生のこれまでの歩みやプロジェクトを紐解く「さとのば生 プロジェクトレポート」。

第3弾は、2021年のさとのば大学「夏期特別講義」に参加した卒業生、石毛美羽さんに、これまでの学びの履歴についてお伺いしました。


今回は、2022年6月14日に開催したイベント「わたしたちの学び履歴(第1回)」※の内容をもとに、さとのば大学にインターンとして関わる長谷川がレポートしていきます。


※「わたしたちの学び履歴」は、過去のさとのば大学受講生をゲストに招き、これまでの人生における学び方や生き方の選択について語っていただく不定期連続トークイベントです。


イベントにてオンライン登壇する美羽さん(中央)
 

受講生プロフィール


石毛美羽(いしげみう)さん

千葉県銚子市出身、千葉商科大学 政策情報学部 4年生。

大学3年時にさとのば大学夏季集中講義に参加し、福島県南相馬市に2か月間滞在。

その後もさとのばをきっかけに、地域を飛び回り、デザインを勉強している。




机上だけでなく、地域に飛び込んで学びたい

 
ーなぜさとのば大学を受講したのでしょうか?

高校生の頃に地元の銚子市で、地域活性化プロジェクトに参加し、銚子電鉄の車内販売をしたり、地域の起業と商品開発をして、パッケージデザインなどを担当し、その時からデザインやまちづくりなどに興味をもっていました。


大学でも主に地域政策とメディアについて学んでいましたが、地域で実践する機会がなく、悶々とした毎日を送っていました。


またコロナで動けない状況に焦りを感じていたところに、ゼミの先生にさとのば大学を紹介してもらい、地域に実際に飛び込んで「やって学んでみる」という姿勢に関心をもち参加を決めました。



様々な視点を通して自分と向き合う

 
ーさとのば大学ではどんな授業を受講されていたのでしょうか?

さとのば大学では下記のような講義を通して、様々な視点から徹底的に自分を見つめ直し、やりたいことのタネをみつけていくような授業を受講しました。


例えば…

  • それぞれが持つ偏愛から自他を捉える「偏愛マップ」

  • 自分らしい「あり方」を見つける「beの肩書き」

  • ほしい未来を描くための「MOYAMOYA研究」


新たな視点から問いを与え続けてくれる授業は新鮮で、これまで自分と全く向き合ったことがなかったことに気付くことができました。


しかし私の場合、自分と向き合うのが辛く、どんどん言語化が苦手になり、フリーズ状態に陥ることもありました。ですが、さとのばの温かい環境によって、喋れない自分を受け止め、自分らしく話して、素直にいこうと前向きになることができました。


ー自分と向き合ってみて、いかがでしたか?

自分と向き合い続けた末に、自分の大切な部分に気付くことができました。



💡 人と出会い、楽しく話すことが自分の喜びになる。自分の「好き」と誰かの 

 「好き」が通じ合ったとき、「もっと好き」になること。 


💡 新しい世界に飛び込み、溶け込むことに充実感を感じる。

 


こうした気付きをもとに、マイプロジェクト※をやっていきたいと考えました。



※さとのば大学では、このような自分と向き合い考え続けた後に、自ら企画したプロジェクトを進めていく「マイプロジェクト」を実践していただいています。


自分と向き合い、マイプロジェクトのタネをみつけた美羽さん(美羽さん発表スライド)


挫折し、反抗期モードで実施したプロジェクト

 
ーどんなマイプロジェクトに取り組みましたか?

「南相馬と青春」というプロジェクトを実施しました。南相馬で出逢った人たちに直接会って、手形、チェキを取っていく。そして「あなたにとって南相馬で青春を感じる場所・シーンは?」と聞き、それを一つの作品にするプロジェクトです。


要素が多くごちゃごちゃしていますが、南相馬の人が偶然持っていると聞いてお借りしたチェキ、南相馬の人に会う口実としてつかった「手形」、「青春」というワクワクするキーワード。このプロジェクトには私のワクワクが詰まっていることは間違いなし!でした。



ーどのようにそのプロジェクトは生まれたのでしょうか?

私が暮らしていた南相馬市は誰が来てもオープンなコミュニティで、たくさんの方と繋がり、お話していくことが多かったことから、もっとたくさんの南相馬の人と繋がり、そしてそれを形に残していきたいと思い企画に移りました。


プロジェクト実施に移る前には企画がまとまらず挫折もしました。

考えて考えて、混乱して分からなくて。でもしんどくなるなら、いっそのこと考えることを無視して、自分のワクワクすることを第一に「とりあえず自分の楽しいマイプロ実行しちゃおう♪」と半ば反抗期モードで、マイプロジェクトを立ち上げました。



ープロジェクトを実行してみていかがでしたか?

まずたくさんの人と出会えて話せて楽しかったです!

このプロジェクトのおかげで34人の南相馬の方と出会うことができました。出会う人たちはみんな不思議な人ばかりで自分を持ち、キラキラしていました。「類は友を呼ぶ」という現象なのでしょうか。出会う人たちは私にとって新鮮でした。


20歳の夏休みを南相馬の豊かな自然と共に過ごし、たくさんの人と話し、考え、いろんな人生の歩み方を知れました。心の底から自分のプロジェクトを楽しむことができたと思います。



マイプロジェクトで出会った南相馬の人たち(美羽さん発表スライド)

駅長さんとも仲良くさせていただき、南相馬市JR小高駅で現在もマイプロジェクトを形にしたものを展示させていただいています。

プロジェクトをやるうちに、自分にとって南相馬にいる今が青春なのではないかと思い、プロジェクトと作品を「南相馬と私の青春」と改名しました。


小高駅の展示の様子(美羽さんのマイプロジェクト「南相馬と私の青春」)

さとのば大学を通して、自分の心に素直に。

 
ーさとのば大学を終えての変化はありましたか?

さとのば大学を通して、私は自分の心に素直になりました。自分の欲にも忠実になり、「もっと冒険したい」と思うことができました。


そして、以前から「アート」と「地域」の結びつきに興味があり、行ってみたかった「瀬戸内国際芸術祭」に応募し「福武ハウス」の受付・ギャラリースタッフとして1ヶ月半小豆島で過ごしました。


地域創生だけでなく、アートと地域住民の関わりもありながら、観光資源にもなっている瀬戸内国際芸術祭で実際に働いてみて、会期前にはアーティストさんの制作風景を見れたり、他にもイベントの企画会議を盗み聞きできたり、地域住民さんとの関わり方を見れたりと、毎日が貴重な勉強の連続でした。作品の独特な視点や作品・イベントとしてのアウトプットの仕方など、アートについてもかなり勉強できました。


働いてみて「頼ってもらうことの嬉しさ」を実感し、「自分、できることがこんなにあるんだな」と自信がつき、自己肯定感が上がりました。



小豆島に飛び込んで見えた「地域とアートのつながり」

 

福武ハウスでは、地域の方に何かを借りたり、イベントに参加してもらったり、手伝ってもらうなど、地域の方を大切にすることを第一に、アートやその繋がりを見せていく、地域に真に根差した様子にとても共感できました。また、私は地域住民と観光客の中間的な視点でその場に関われたことが貴重な体験となりました。


小豆島で得られたもの(美羽さん発表スライド)

ーさとのば大学での経験を通して何を得られましたか?

授業を通して、自己理解がすごく深まりました。

たくさんの方と楽しくコミュニケーションをとることで、新しい生き方の発見。大学を通っているだけでは出会えない方々とお話しすることでとても刺激を受けられました。

さとのば大学が終わった後でも続く人間関係も魅力的でした。

また、さとのば大学をきっかけに、私はとても行動的になり、自分を好きになれたと思います。



言語化が難しいけれど、それを受け入れて頑張って話そうとしている私。


一旦考えるのを辞めて反抗期モードでプロジェクトに挑んじゃった私。


今まで完璧主義で良い子だった私。


そんな私が、失敗を恐れず地域に飛び込み楽しめていることが大きな成長だと思っています。大げさかもしれないけど、良い感じに自分を愛せている気がします。



「目の前のことに集中することで、私は有意義に過ごせる」ことを発見できた。そして、なりたい自分になるというより、常にその時々の自分に納得できるような生き方でいいんだな。と思うことができました。


「今の自分も悪くないな」「色々あったけど今の自分が好きだな」と常々思うことを自分を流浪・彷徨うことで気付き、これから自分の中で大切にしたいものを発見できました。


去年の夏休みからさとのば大学をきっかけに私は自分のやりたいこと、学びたいことに忠実になれ、自分にとって濃い学びの履歴ができたと思います。これからもたくさんのことを積極的に学んでいきたいと思っています。


さとのばをきっかけに(美羽さん発表スライド)

終わりに

 

本記事を読んでくださった方、自身の学びの履歴を発表してくださった美羽さん、ありがとうございました。


さとのば大学での経験や学び、葛藤を通して自分を見つけ、上手くいかないときも含めて「素直にいこう」と、自分を愛せるようになったことなど、美羽さんのすてきな気付きを伺うことができました。


なにより反抗期キャンペーンで考えることを無視したように見えて、自分のワクワクするものを詰め込んだマイプロジェクトからは、美羽さんの自分らしさや大切にしたいものが詰まっているように感じました。


さとのば大学を終えても、自分の関心のある「アート」と「地域」の結びつきについて、地域を飛び回りながら学ばれている姿勢からも、美羽さんがこれからどんな学びや気付きを得て、変化していくのか。とても楽しみになりました!



さて、さとのば生にそれぞれの学びと人生の歩み方を語っていただくトークイベント「わたしたちの学び履歴」の第2弾は、7/12(火)に開催予定です!

▶イベント詳細・参加申込み:http://ptix.at/u0cLje



今後も、さとのば大学での学びとその価値や、学生がそれぞれに異なる自分らしさを見つけ、歩んでいく様子などを伝えていきたいと思いますので、ぜひそちらもチェックしてみてください~!


現在、さとのば大学の夏季特別講義や、来年度のさとまなプログラムの受講希望者を募集しています。さとのば大学のオープンキャンパスも2022年7月30日(土)-31日(日)にてオンラインで開催予定です。


ご興味をお持ちくださった学生・保護者の皆さま、教育関係者の皆さまは、ぜひお気軽にご連絡ください。